2000年4月19日(水)15:46

欧州連合は欧州委員会の崩壊によるイメージの低下から回復

1999年秋の「ユーロバロメーター」の結果  ドイツはユーロ懐疑派の一員  ヨーロッパ市民にEU拡大への熱意はなし

ブリュッセル(AP)

 欧州連合は、欧州委員会の放漫と情実をめぐるスキャンダルによって損なわれたイメージをやや回復した。1999年秋にEU市民16,000人を対象に行われたアンケートの結果が本日水曜日に発表された。それによれば全体の51%が自国のEU加盟を歓迎している。これは昨年3月のサンテール委員長率いる欧州委員会の退陣直後に比べて2%の増加であるが、一昨年秋の数字にはまだ3%及ばない。ドイツでは47%の人々が自国のEU加盟を肯定的に評価。37%はドイツ政府はEU加盟の恩恵を受けていない、と答え、反対の答えの39%を下回った。

   これらの回答から、ドイツはフランス、デンマーク、フィンランド、オーストリア、スウェーデン、英国とともにユーロ懐疑派に属すことが明らかになった。ユーロ肯定派の筆頭は82%のアイルランド、81%のルクセンブルクである。アイルランド、ルクセンブルク、ポルトガルでは「ユーロバロメーター」によれば過半数をはるかに超える人々が、欧州連合加盟により恩恵を受けていると考えている。

 全体として欧州連合は公のアンケートでは蜜月を過ぎたことが明らかになった。東欧ブロックの崩壊から間もない1991年春の時点では、全体の72%が自国のEU加盟を歓迎していた。この熱狂は経済危機、増加する失業率、ユーゴスラヴィア戦争、BSEの危機により1997年春には46%まで落ち込んだ。その後いくぶん回復したものの、欧州議会が告発した欧州委員会の放漫と情実をめぐるスキャンダルによって、水をさされる結果となった。このため、EUの諸機関に対する信頼度の質問では、欧州議会が高い評価を受けた。欧州議会を信頼するとの答えが53%に上ったのに対し、EU委員会の信頼度は45%に留まった。

 最重要の課題としては90%のEU市民が失業問題の解決を挙げた。この分野に関し欧州連合はまったく権限を持たないにもかかわらずである。規則的に開かれる雇用サミットがこうした期待を抱かせたものと見える。また89%がEUにヨーロッパにおける平和と安全の保障を期待し、88%が組織的な犯罪や麻薬取引に対する厳しい取り締まりを望んでいる。

 最大で12カ国を新規加盟国とするEUの拡大計画はアンケートの結果では熱狂的な支持を受けてはいない。拡大を支持すると答えた割合は1999年春の42%から43%に増えたに留まった。ドイツではこの数字は38%に停滞している。皮肉なことに、EU市民の70%が、加盟を申請していないノルウェーとスイスの加盟を望んでいる。加盟申請中の国ではマルタとハンガリーが最も好意的に迎えられている。加盟を歓迎すると答えた割合はそれぞれ49%と47%であった。

原題:EU erholt sich vom Image-Schaden nach Kommissionssturz
Eurobarometer im Herbst 1999 - Deutschland im Lager der Euroskeptiker - Keine Begeisterung der Buerger fuer Erweiterung